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2025.03.06

【THC変異の可能性は?】CBD(カンナビジオール)の変異条件に関するサンプル検証に着手①

法改正に伴い、CBD原料には「残留THC濃度10ppm以下」という非常に厳格な基準が設定された中、特定の条件下における「THCへの変異」が懸念されています。

CBDの変異に関する論文は、世界でもこれまでに1本しか存在しません。熱や酸が変異を引き起こす可能性が示唆されていますが、具体的にどういった温度やpH条件で変異が発生するのかは不明であるほか、他の条件(他成分との相互作用など)についてはまだ未知数です。

当講座では、安全性と適法性の観点からCBDの変異条件の解明を早期課題と捉え、サンプルを用いた検証に着手しました。明らかな変質が見られる試料については、今春開設予定の分析センターで詳細な分析を行い、THCを含む麻薬指定成分への変異の有無や具体的な変異条件を明らかにしていきます。

実験の進捗や検証結果は、随時HPで公開していく予定です。

◆CBD変異の実験記録│2025.2.25

初回は、pHの違いによる変化の検証を行った。

1.pHの違いによる変化

<結果>

酸性、中性、アルカリ性の各水溶液にCBDアイソレートを加えた際、いずれの溶液でも顕著な変化は見られなかった。(色が付いて見えるのは、CBDの粉末が完全に溶解せず濁りが生じているため)
CBD溶解ローションに酸とアルカリを加えた場合、酸の場合には特に変化は見られなかったが、アルカリを加えると白色のローションが紫色に変化。明確な色調の変化が確認された。

 

<考察>

pH調整のみを行った水溶液にCBDを加えた際には、酸性・中性・アルカリ性のいずれの場合でも見た目の変化は認められなかった。しかし、CBD溶解ローションにアルカリを加えた際には明らかな色調の変化が確認されたことから、CBDの溶解に使用した界面活性剤と反応し、何らかの変化が起こっていると推測される。次回は、界面活性剤による変化の検証を進めていく。
また、当講座の他の研究においても、CBDを加えることで溶媒が紫色に変わる現象が確認されたため、変異の可能性を含めてより詳細な分析が求められる。
第二回→◆CBD変異の実験記録│2025.3.4

第1研究実施場所

臨床カンナビノイド学研究室

〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学医学部附属病院 臨床研究棟A 1階 
第2研究実施場所

東京大学大学院医学系研究科皮膚科学教室

〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1

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