研究活動一覧

–>

カンナビノイド研究




CBD

CBDが皮膚の健康に与える影響

肌の健康には、正常な角層の形成や、うるおい・バリア機能保持が欠かせません。本研究では、CBDが皮膚の健康に与える影響について、網羅的なmRNA遺伝子定量から、健康な皮膚に影響する遺伝子の変動を検証。その結果、CBDは肌の健康維持に優れた効果を発揮することがわかりました。
肌が健康であるためには、正常な角層の形成、ケラチノサイト(角化細胞)の正常な増殖、水分・バリア機能保持、酸化ストレスの除去、抗腫瘍作用など、さまざまな要素が必要です。本研究では、網羅的なmRNA遺伝子定量から、健康な皮膚に影響する遺伝子の変動を検証しました。
ケラチノサイトにCBDを加えると、細胞内の酸化還元恒常性を維持し抗炎症メディエーターとして作用する「MT1G」や、正常な角化やバリア機能保持に欠かせない「CEBPA」といった遺伝子の発現量が大幅に上昇。さらに、ヒトケラチノサイトの増殖や皮膚の脂質代謝に役立つ「SULT2B1」、皮膚の水分保持に役立つ「AQP3」という遺伝子の発現量も上昇しました。
これらの結果から、CBDは皮膚の恒常性の維持や抗炎症作用、バリア機能やうるおい・弾力の保持、抗腫瘍作用など、肌の健康維持に優れた効果を発揮することが示されました。





CBDが皮膚の表皮幹細胞に与える影響

CBDが皮膚を作る「表皮幹細胞」に与える影響について、細胞株や、幹細胞から皮膚の立体構造を作る3D培養モデルを使って検証しました。その結果、CBDによって表皮幹細胞が若返り、健康に増殖。さらに、分化してきた細胞はバリア機能が向上し、ストレス刺激に強い若々しい肌になることがわかりました。
皮膚の組織を保つために、細胞を生み出して補充する能力を持った細胞を幹細胞といいます。本研究では、CBDが皮膚を作る「表皮幹細胞」に与える影響について、細胞株や、幹細胞から皮膚の立体構造を作る3D培養モデルを使って検証しました。 幹細胞が老化する原因には、酸化ストレスやDNAの損傷があります。表皮幹細胞にCBDを加えると、炎症時、紫外線、酸化ストレス時のROS(活性酸素種)が低下したほか、幹細胞の増殖に関わる接着分子の発現量が、「COL17A1」で18%、「インテグリンβ1」では26%増加しました。さらに、DNA損傷について「γH2AX」をマーカーとしてDNAの傷の数を見たところ、CBDによってDNAの傷の数が57%減少しました。 これらの結果から、CBDは表皮幹細胞を若返らせ健康に増殖、さらに幹細胞から分化してきた細胞は元の細胞よりもストレス刺激に強くなっていることがわかりました。CBDによって、私たちの肌はストレスに強く、しなやかで若々しい肌へと生まれ変わるのです。



CBDによる皮膚の老化防止効果

皮膚の老化には、内因性老化(自然老化)と外因性老化の2種類がありますが、その多くは紫外線等が原因で表皮・真皮細胞内に発生する活性酸素種(ROS)による外因性老化(光老化)です。本研究では、CBDの表皮細胞内の活性酸素産生に対する効果を検証。その結果、CBDは光老化から肌を守り、老化を予防することがわかりました。
活性酸素種(ROS)は呼吸によっても産生されており、体内の免疫機能や感染防御にも用いられていますが、紫外線や喫煙、環境汚染、過度なストレス等により過剰になると、DNAやタンパク質、細胞膜にダメージを与えてしまいます。本研究では、「表皮細胞内の活性酸素産生に対する効果」を検証しました。 表皮ケラチノサイトを培養しROSを光らせる染色をしたのち、各老化刺激とCBDを加えてROSの変化をみると、刺激のない状態、すなわち、呼吸による活性酸素産生の場合は22%、ニキビ等の炎症刺激を加えた場合は17%、CBDを加えることで活性酸素を低下させました。高い抗酸化力で知られるコエンザイムQ10でも同様の実験が行われていますが、こちらでは3%という結果だったため、CBDはコエンザイムQ10を上回り、細胞内の活性酸素を強力に抑えることがわかりました。



また、主要な原因である紫外線(UV-B)を加えた場合は18%、環境汚染などの酸化ストレスを加えた場合も20%、CBDは細胞内の活性酸素を低下させました。コエンザイムと同じく、抗酸化成分の代表格であるビタミンEでも過去に同様の実験が行われましたが、こちらは7%という低下しか見られませんでした。ビタミンEと比較しても、CBDは細胞内の活性酸素を抑える力が非常に強いことが示されました。

上記の結果から、CBDは表皮細胞内の活性酸素種(ROS)の産生を抑え肌を守ることで、老化を予防することがわかりました。

CBDによる皮膚のリバースエイジング(若返り)効果

先の研究で、CBDが肌の老化防止に作用することが明らかとなりましたが、すでに生じてしまった老化への作用はあるのでしょうか。そこで、CBDが皮膚の老化細胞に与える影響を検証しました。その結果、CBDが老化細胞をもとに戻したり、老化関連分泌因子(SASP)を抑制することで、皮膚のリバースエイジング(若返り)を実現するという世界初の成果が示されました。
表皮ケラチノサイトに、CBDを含まない培地またはCBDを添加した培地を添加し培養。老化細胞のマーカーであるβ-gal(β-ガラクトシダーゼ)検出試薬を用いて細胞内のβ-galを染色し、細胞解析技術フローサイトメトリーで蛍光強度を測定しました。CBDを添加して培養した結果、3日後には老化細胞の割合が有意に低下し、CBDにより細胞の若返りがもたらされました。



また、紫外線を照射し老化した表皮ケラチノサイトにCBDを添加したところ、増殖停止している老化細胞がCBDによって若返り、再び増殖が見られるようになったほか、細胞内のタンパク質レベルや遺伝子レベルで、主要な老化関連分泌因子(SASP)が抑制されました。 さらに、細胞の若返りの背景として、CBDがさまざまな若返り関連遺伝子の発現を増強させているということも明らかとなりました。 これらの結果から、CBDが皮膚のリバースエイジング(若返り)を実現するという世界初の成果が示されました。

東大式科学的メイク理論

東大式科学的メイク理論についての研究














DNA肌質分類研究

遺伝子による肌質分類と東大式敏感肌の定義づけ

一般に広く使われる「敏感肌」という表現。これは、便利なようで実に曖昧である。
敏感肌とは、本来問題にならないような外界の刺激に対して、赤みや痒み、痛み等の反応が引き起こしやすい状態であり、つまり、トラブルを起こしやすい肌と言い換えることができる。
肌トラブルといっても、乾燥からべたつき、にきび、広くはシミ・しわまで多岐に渡るため、それらの多彩な要素を「敏感肌」と一言で表現してしまうのは少々無理があり、それらの要素を客観的に紐解くことが必要である。

肌質は、遺伝要因と環境要因によって規定されるが、肌質に関わる遺伝要因として、いくつかのSNP(一塩基多型)※が近年報告されている。このSNPは敏感肌を考えるうえでも重要な要素だが、SNPと肌質との関連を直接調べた研究はこれまでなく、SNPから肌質を予測するアルゴリズムは開発されていない。

遺伝子肌質研究では、敏感肌を含めたさまざまな肌質をより客観的にとらえることを目的として、東大皮膚科医による肌質の評価とSNPの関連を探索し、SNP解析による客観的な肌質予測アルゴリズムの構築を目指している。具体的には、乾燥や皮膚バリア機能の低下、脂性肌やシミになりやすい肌、しわになりやすい肌など、個々の肌トラブルのなりやすさを選定SNPから予想する計算式を開発し、個々人にあったスキンケア指標につなげていく。

本研究により、これまで曖昧だった「敏感肌」が明確に定義されることが期待される。

※SNP(読み:スニップ):個人間の遺伝情報のわずかな違いのこと

北海道大学工学部 渡慶次研究室とのリボソーム共同研究

CBDリポソームについての研究

1.
画像提供:北海道大学 工学部 渡慶次学教授


2.


3.
画像提供:北海道大学 工学部 渡慶次学教授


4.


第1研究実施場所

臨床カンナビノイド学研究室

〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学医学部附属病院 臨床研究棟A 1階 
第2研究実施場所

東京大学大学院医学系研究科皮膚科学教室

〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1

交通案内

  • 東京メトロ丸の内線 本郷三丁目駅 2番出口 徒歩約10分
  • 都営地下鉄大江戸線 本郷三丁目駅 5番出口 徒歩約10分
  • 東京メトロ千代田線 湯島駅 1番出口 徒歩約15分
  • 東京メトロ千代田線 根津駅 2番出口 徒歩約15分
  • 東京メトロ南北線 東大前駅 1番出口 徒歩約15分

Contact Us

©Department of Clinical Cannabinoid Research